煎じ薬について

漢方の煎じ薬というものをご存じでしょうか。

漢方薬の原料となる薬草などを煮てその汁を内服する、漢方薬本来の姿が煎じ薬です。

市販もされている顆粒状の漢方薬はエキス製剤と呼ばれ、この煎じ薬をフリーズドライ等で顆粒状にしたものです。例えるならば煎じ薬が本格ドリップコーヒーで、エキス製剤はインスタントコーヒーのようなものです。

煎じ薬では、ひとりひとりの体に合わせて細かく内容を調整できるので、まさに患者さんにとって完全オーダーメイドの薬と言えるでしょう。

エキス顆粒では、漢方薬を数種類併用すると重複する生薬による弊害が起こる場合がありますが、煎じ薬ではその心配なく必要なものだけを追加して、不必要なものは除くこともできます。

そして煎じ薬は高額ではないかと思われがちですが、実はどなたにも保険診療でお出しすることができます。煎じ薬の処方箋を取り扱っている薬局は少ないですが、患者様が取りに行きやすい場所の薬局をご紹介することが可能です。

自宅で煎じるという手間はかかりますが、慣れればそこまで大変ではありません。

つらい症状でお困りの方には、ぜひ煎じ薬をおすすめします。