頸部の腫れ・腫瘍とは

頸部とはいわゆる首のことです。具体的には耳の付け根から鎖骨の上までを頸部と言えます。首がなんとなく腫れていたり、しこりがあったりする場合は、耳鼻咽喉科を受診してください。耳鼻咽喉科というと、耳や鼻にまつわる病気というイメージが強いのではないででしょうか? 加えて咽喉というと「のど」というイメージが強く、首が腫れている時は内科を受診しがちです。実は首が腫れるといった症状も耳鼻咽喉科が診察する領域なのです。

頸部の腫れ・腫瘍

主な原因

頸部の腫れというと、主にはしこりがあるなどの症状が挙げられます。また、明確なしこりだけでなく、なんとなく腫れた感じがして痛い、といった症状が見られることもあります。首には大きく分けて3つの腺組織(分泌物を出す働き)があります。耳の下に位置する「耳下腺」、顎の下に位置する「顎下腺」、最後に首の前に位置する「甲状腺」です。耳下腺と顎下腺は唾液の分泌、甲状腺はホルモンの分泌をする働きを担っています。また、首には体の免疫をつかさどるリンパ節も集まっています。
頸部の腫れはこれらの臓器や頸部の筋、脂肪組織、血管、神経などに炎症が起きることで生じることや、腫瘍ができることで生じることがあります。

主な疾患例

・頸部リンパ節炎・耳下腺腫瘍 ・顎下腺腫瘍 ・甲状腺腫瘍 ・耳下腺炎・顎下腺炎・血管炎・脂肪腫・悪性リンパ腫・可能性壊死性リンパ節炎・甲状腺炎・癌のリンパ節転移・頸部嚢胞など

診断と治療

問診や触診はもちろん、超音波診断装置などの検査を行って、診断をつけていきます。また、腫瘍といっても大きく分けて良性腫瘍と悪性腫瘍があります。良性の場合は、腫瘍の大きさによっては経過観察をすることもありますが、悪性の場合は手術などが検討されます。炎症を起こしている場合は投薬治療などで症状の軽減を目指していきます。